第15回 発電用設備規格委員会 核融合専門委員会 議事録
1.日 時:2006年 10月24日(火)13時00分〜18時15分
2.場 所:日本保全学会会館 会議室(上野池之端IMONビル-10F)
3.出席者:(委員12名、代理者3名、オブザーバ1名、欠席者5名)
宮委員長(法政大)、中平幹事(原子力機構)、井岡(東芝)、入江(溶接技術センター)、大崎(川重)、大坪(新日鉄住金)、清水(三菱重工)、高橋(電中研)、田戸(三菱電機) 、中曽根(東理大)、橋爪(東北大)、與石(神戸製鋼)
代理者:沖田(東大・関村副委員長代理)、喜多村(神工大・西口代理)、樋口(IHI小林代理)
欠席者:浅山(原子力機構)、斉藤(筑波大)、鈴木(中電)、永田(日立)、肥田(原電)
オブザーバ:中嶋(原子力機構)
事務局:釜田
(以上敬称略)
4.配布資料
15-1 第15核融合専門委員会議事次第案
15-2 第15核融合専門委員会 配布資料リスト
15-3-1 設計・交換技術分科会検討状況報告
15-3-2 核融合規格・FM-3000設計規格条文・DRAFT
15-4-1 核融合規格 超伝導コイル建造規格 製作・非破壊試験・試験 概要
15-4-2 FM-4000 超伝導磁石構造体製作・設置規格(案)
15-4-3 訳語対比(製作・検査・試験)Draft
Rev.7, 2006.10.20
15-4-4 JSME核融合規格 超伝導コイル 製作 Draft Rev.2, 2006.10.20
15-4-5 核融合専門委員会 溶接・接合・検査分科会 コメント対応表 R3
2006.10.20
15-4-6 FM-5000 超伝導磁石構造体非破壊試験規格(案)
15-5-1 品質保証・材料分科会 活動報告
15-5-2 材料規格条文案の作成方針
15-5-3 JSME Fusion Code
Conformity Assessment(認証・認定システム)
15-5-4 日本機械学会 核融合規格 品質保証要求
15-5-5 品質保証 規格の条文(案)
15-5-6 品質保証 非強制付録-Aの条文(案)
15-5-7 超伝導マグネット材料規格について
5.議事
(1)午後1時00分に宮委員長により開会が宣言された。
(2)議事次第の説明、資料の確認(資料15-1から資料15-5-7)
議事次第の説明および資料の確認が行われた。
(3)分科会活動報告
「設計・交換」「製作・溶接・検査」「品証・材料」の3分科会より、超伝導TFコイル建造規格の作成検討状況が報告された。
(3−1)設計・交換技術分科会 規格検討状況報告(資料15-3-1, 15-3-2)
資料15-3-1, 15-3-2に基づき、設計規格検討状況について報告された。
i) 超伝導TFコイルの構造的特徴、運転負荷モード、発生応力レベル、使用構造材料の低温強度特性、設計規格策定上のキーポイント、分科会での検討実施事項等が紹介された。
ii) 設計規格FM-3000の全体構成、主要規格案の現状 (荷重、座屈裕度/座屈評価、静荷重による許容応力制限、繰返し運転に対する疲労評価、極限解析の適用、ボルト設計、コイル支持脚設計、軽水炉設計規格との相違点)について報告された。基本的には「解析による設計」が適用される。
iii)
「規格本文」は技術審議されたが、「付録」(材料の設計強度、同物性値、疲労き裂進展評価法、スリップクリテイカル(高力ボルト)結合規定)は未策定。
iv)
規格は「解析による設計」を適用、但し導体コンジット、He-パイプについては「国内高圧ガス保安法」対応でVIII-Div.1の「公式による設計」を適用。
v)
「軽水炉設計規格との相違点」では、以下の項目が挙げられる。
a)「リミットセット/ 供用状態」の定義と各状態での許容応力制限値
・破損による発電機能喪失はあるが、放射性物質からの安全性は問題無い。
・核融合炉では原理的に核的暴走は無く、超伝導コイルは安全機器でない
b)
設計応力強さSm決定法
・ASME-Sec.VIII-Div.3-2001方式を適用
・ASMEコードの中で最高許容応力の決定法
(上記決定法の適用には、別途追加要求項目を満たす必要有る)
c)
座屈評価の詳細規定
・座屈(解析)評価法ではSec.
III-CC-N284を適用し、設計マージンは、
通常運転時で「2.0」、供用状態D(リミットセット-4)で「1.34」。
・公式による評価では解析評価の場合の1.5倍の設計マージン。
d)
スリップクリテイカル(高力ボルト)結合の規定
・基本的には、機械的接続部も「解析による設計」を適用する
・ラップ積層板のボルトジョイントに「公式による設計」適用
e)
溶接部に対する破壊力学的解析評価(き裂進展解析)の要求
・ASME
Sec.VIII-Div.3を基本にした「Paris則/応力拡大係数評価、」で評価
・初期欠陥寸法形状は非破壊試験の検出限界から定める
vi) 今後、条文案の補充、特に「付録」の策定、および条文の逐次チェックを進める
上記報告に対し以下の質問・コメントがあった。
@リミットセットの定義はFM-1000で行われるものであるが、SCMの事象の具体化、事象とセットとの対応および荷重制限が必要。
A「部材の最高温度での材料強度」で、最高温度とは部材板厚方向の最高温度か、部材板厚方向平均温度か。→全断面崩壊に対する評価から「部材板厚方向平均温度」である。
B「付録(未策定)」の充実を早急に実施することと、ASME-AGへの確認およびチェックを進めること。又、分科会で議論された項目、内容、疑問点を纏めておくこと。
→「付録」は現在DRAFT0を作成中で審議は作成後開始する。別途ASME-AGには付録、本文条文の確認・チェックを交渉中である。分科会での議論の項目、内容は部分的に(英文で)纏めてあるが、早急に纏める。
(3−2)製作・溶接・検査分科会 規格検討状況報告(資料15-4-1から15-4-6)
資料15-4-1から15-4-6に基づき、製作・溶接・検査規格検討状況について報告された。
i)
製作・溶接・検査規格構成、FM-4000(超伝導コイル構造体製作に関する要求事項)、FM-5000(非破壊試験要求)、FM-6000(コイル試験要求)、付録(AD-Part1:溶接継手、AD-400:溶接継手分類、AD-Part2:ノズルと他部品との接続)
の概要が説明された。FM-4000番代の規格条文は和文翻訳され、審議済み、FM-5000番台の規格条文は和文翻訳されたが未審議、FM-6000番代、付録については未訳である。
ii)これら構成規格の条文内容、「材料受入」「製造者による材料補修」「成形、開先合せ、位置合せ」「溶接製作に関する要求事項」「溶接確認」「溶接施工、試験、補修」「ろう付けに関する要求事項」「機械接合」「非破壊試験要求」「溶接部の非破壊試験」「合格基準」「非破壊試験作業者の認定」の主要部分について説明された。又、未整備項目、他分科会との関連項目も合せて報告された。
上記報告に対し以下の質問・コメントがあった。
@ ANSIやJIS等の参照について、単に規格番号の参照で良いかどうか、注意する必要がある。例として、材料仕様について、「補修の仕方」等の詳細参照規程がASTMとJISとで異なるなどの問題が議論された経験がある。個々の場合を良く見て判断すべきである。
A「事業者による施行や技量の認証」については、ASME基準と日本の基準では異なる。日本では、事業者が認証行為を行う認定を実施していないため、事業者が自主的に第三者機関(非破壊検査協会や溶接協会)の認証を作業者に受けさせている。一方、ASMEでは、事業者の認定をASMEが実施しているため、事業者が施工や技量の認定を実施できる。ITERの場合では、国対国の認証問題となる。また、日本の原子力の非破壊検査においても、検査員(資格者)では測定値に誤差(例えば4.4mm)を加算しないが、非資格者の場合は誤差を測定値に加算しなければならない。
→委員長より、「認証/認定条項の詳細は別途関係者で会議を持つこととする。」
B 超伝導コイルの検査(ISI,
PSI等)と安全性(Safety)、保全性(Availability)について今後専門委員会で議論してゆく必要がある。米国の”Reactor
Over Site Process (ROP)”では、「検査不能な項目」と「検査可能な項目」に分け、検査不能な項目は状態監視や検査出来る方法で補完する方法を定めている。軽水炉の検査についても見直しがあるので良い機会となる。
(3−3)品証・材料分科会 規格検討状況報告(資料15-5-1から15-5-7)
規格検討状況報告に入る前に、品証・材料分科会幹事より分科会活動報告があり、分科会は材料規格活動に比重が移るため、分科会幹事の交代(樋口氏より中嶋氏へ)についての審議依頼があった。審議の結果、出席者全員の賛成により幹事交代は承認された。
(3-3-1)核融合規格・品質保証要求の概要(資料15-5-3から15-5-6)
配布資料15-5-3から15-5-4に基づき、品証規格検討状況および品証規格の骨子が報告された。従来の品証が「文書一致重視の品質保証」であったのに対し、「結果重視・性能本位の品質保証」のシステムを策定した。チェック体制を一次レベルから四次レベルに分け、一次から三次レベルまでは事業場の「作業者」「監督者/管理者」「検証者/管理者」で実施し、四次レベルのチェックは「規制当局者」が実施する。これにより、品証作業の効率化、施設の安全性・信頼性が向上し、結果として製品のコスト適正化、信頼性は向上する。規格条文(資料15-5-5, 15-5-6)には以下のことが規定、記述されている。
(i) 製造者全体への品証文書査定はオーナー又は第三者である。
(ii)
詳細品証の検証者は製造事業場のライン内の検証管理者。
(iii)
設計の妥当性確認は、基本的にはオーナーである。
→「認証/認定」については別途関係者(メーカー委員を中心)で議論する。
上記報告に対し以下の質問・コメントがあった。
@ASME/JSME規格の「認証/認定システム」の相違に関して、ITERではどの様に行われるか。→「第三者機関(日本溶接検査教会の認証/認定)」又は「オーナーの認証/認定(ITER Organization)」のどちらかである。
→「雇用者認定」と同様に別途関係者で会議を持つこととする。
A「JSME核融合規格・品証要求」で二次、三次レベルのチェック担当が製造者のラインの人間では、チェックにならないのでは?
→「品質保証へのResourcesの適正配分」、と「性能本位の品質保証」を考えて「品証」作業を実質的且つ効率的にするためである。
(3-3-2) 核融合規格・材料規格の概要(資料15-5-2,15-5-6)
(A) 資料15-5-2に基づき、材料規格の策定方針について審議依頼があり、以下の項目を審議、確認の上、提案方針は承認された。
(a) JIS/ASTM規格の対応:「対応させない」
・ 材料仕様としてJISのみを参照することについて、JISの英語版も存在しASME側に提示するのは容易なこと、ASTMを呼び込む作業は将来ASME側で専門家により適切に等価性を確認しながら実施すべきであることから、提案通りとする。
(b)破壊靭性値の要求:「要らない」
「フルオーステナイトステンレス鋼」は、フェライト鋼のような低温脆性を示さ無いため、母材に対しては「不要」とする。ただし、溶接部や溶接後熱処理を受ける部分に適用する要求事項を設ける。
(B) 材料規格概要の紹介、説明(資料15-5-7)
資料15-5-7に基づき、「新規材料(JJ1),及び316LNの低温機械特性」「TFコイルでの使用材料と適用箇所」「最小(設計)強度, Sy, Suの決定方法」等の紹介及び規格作成上の審議課題について説明があった。
上記報告に対し以下の質問・コメントがあった。
@「破壊靭性値の要求」で、外国メーカー等を考えた場合、すべて不要とするのは問題ではないか?
→オ−ステナイト組織という仕様を追加していること、また、オ−ステナイト系ステンレス鋼の低温靱性値は、原子力で使用されている材料の室温靱性値と同等であることから、基本的には不要と考えるが、専門委員会のコメントを踏まえ、品質保証・材料分科会で議論することとした。
A「ステンレス鋼以外の材料(強度)物性」については、新規材料同様な試験実施を考えているか。
→ASME,JISの材料仕様をベースに規格作成を実施する。このため、強度については常温値の使用となる。特に、Inconel-718等は常温でも高強度で、且つ低温での強度上昇はわずかである。
(4) 今後の規格策定スケジュール
委員長より、マグネット規格策定全体スケジュールの確認が行われた。
規格発行時期(07年12月)から逆算すると、4〜5月に一通り出揃う必要がある。
(5)JSME-ASME協定の報告
幹事より9月末にASMEから提案された協定案の概要、10/19に開催した幹事会の内容を反映したASME提案の修正案の概要が報告された。
審議の結果、以下の方針を確認した。
→「合同委員会の立上げ」は止める。緊急作業のためマグネット規格では難しい。
JSMEからASMEへのDeliverableは「マグネット規格条文(英語版)」のみである。但し、ASME/JSME間の規格関連情報交換は実施する。
6.次回開催予定
本専門委員会では、来る11月30日に任期満了となる専門委員が多数のため、任期満了となる前に、再任承認・手続きを行う必要がある。そこで、11月22日(水)13:00-、に次回開催を予定する。開催場所は機械学会会館を予定であるが、会議室確保が難しい場合は、保全学会会議室とする。詳細は事務局より追って連絡する。
以 上